夫が病気で休職・・・。傷病手当金って?

一家の大黒柱が入院でしばらく仕事を休むことになったら、体調のみならず家族の生活も心配です。
勤務先の就業規則に休職制度があるのかどうか。その場合の賃金補償はどうか。
有給休暇の残日数などを確認のうえ、会社の担当の方とよく話す必要があります。
また、加入する健康保険によっては、休業中で給与が出ない間の生活保障として『傷病手当金』という制度があります。

【1】傷病手当金とは?
いわゆるサラリーマンの方が勤務先で掛けている保険(社会保険)には傷病手当金という制度が存在します。
これは業務上ではない、いわゆる私傷病で勤務できない状況となった時に生活保障として支給される手当金です。
市町村で加入する国民健康保険にはこの制度はありませんので、自営業や業務委託で社会保険に加入していない場合は対象となりません。

【2】支給額は?
勤務先により加入している健康保険は様々なため一概には言えません。
主に中小企業に勤務する会社員が多く加入する全国健康保険協会(旧政府管掌保険)では、
1日あたり標準報酬日額の3分の2が支給されることとなります。
標準報酬日額とは、毎月引かれる社会保険料のベースとなる金額です。
これが月額30万であれば、30日で割ると1万円。その3分の2である約6600円が1日あたりの支給額となります。

【3】その審査は?
しかし休んだ日全てに一律に支給されるわけではありません。
まずはその病気により「労働が出来ない状況にある(労務不能)」であることを医師が証明することが第一条件です。
たとえどんなに具合が悪く動けなかったとしても、自宅療養ではそれを医学的かつ客観的に証明できる人がいません。
きちんと受診したうえで、その医師が証明してくれることが前提です。
また、傷病手当金は休んだ初日から支給される手当ではありません。
3日間連続で休んだうえで4日目から支給されます。
この3日間を待機期間と呼びます。
待機期間は必ずしも勤務日でなくても良く、休日や有給中も含まれますが医師証明があるかどうかが重要であることに変わりはありません。
なお、この待機の3日間を数えるにあたっては、必ずしも無給である必要はありません。
例えば、夏休みで有給休暇を5日間取得していた2日目にケガをして病院を受診したとします。
この場合は有給休暇の2~4日目が待機期間となり、5日目以降が手当の対象期間となります。
ただし、支給される予定の傷病手当金よりも多い給与が出ていれば支給されない(少ない場合は傷病手当金を上限として差額を支給)ため、5日目は有給として給与が支給され、以降給与が支給されなければ対象となります。

その他様々な条件がありますが、困った時の健康保険。
どのような手当があるのか、機会があれば一度確認しておくと良いでしょう。