投資とギャンブルの違い

投資とギャンブルが同じように語られていることが多いですが、投資とギャンブルというのは全く異なる行動となっています。

確かに全く知識がない状態で投資をするのはギャンブルと同じですが、ある程度の知識を持っていると、投資というのは利益を生み出す手法ということになります。

まずは投資とギャンブルの違いを表にしましたので、下記の図を見てください。

『配当の違いについて』

投資とギャンブルにおいて最も異なるのが配当の違いです。
ギャンブルでは「控除率」とか「還元率」というような呼ばれ方もしますが、投資の世界では「配当率」というような呼び方をします。
これは、ほとんど同一の事柄を表していることになるのですが、簡単に説明をすると、「自分が出費した費用に対して、どれくらいの金額を得ることが出来るのか」ということを指しています。

例えば、身近なギャンブルの事例として競馬とパチンコ、宝くじの控除率と配当を紹介します。
ここで「宝くじもギャンブルなのか?」というような考えが思い浮かぶ人も多いかもしれませんが、日本において「宝くじ(富くじ)」というのはギャンブルの一種であるという考えで間違いありません。

日本における宝くじの控除率は54%~55%程度とされています。
そのため、100万円の宝くじを購入した際の平均的な配当率は45万円~46万円ということになります。
宝くじというのは数千万円~数億円が当選するという希望を持って購入している方が多いですが、日本の宝くじは「世界で最も配当の低いギャンブル」として有名です。
知識や技術などが一切必要なく、当たれば数千万円以上の当選ということに夢を見て購入する人が多いですが、同じ金額を投資に回したほうが長期的に見た場合の収入は多いということになります。

そして、競馬や競輪などの公営ギャンブルについてですが、こちらの控除率は25%となっています。そして、最近問題になっていますが、競馬での勝ち金に税金が発生するということです。
既に控除率として配当から排除しているのにもかかわらず税金を徴収されるということで、二重課税に相当するのではないかとされていますが、現在でも各地で裁判沙汰になっている案件となっています。

そして、パチンコの控除率は10%~15%となっていて、この中では比較的控除率が低く設定されているギャンブルでもあります。
控除率が低いために他のギャンブルに比べてプレイヤーが勝ちやすいというために、「パチンコで生計を立てている」ということを広言する人が多いのも特徴となっています。
ちなみに、日本の法律では「パチンコ」に関してはギャンブルと認めていませんが、公的にはギャンブルという位置づけで問題ないでしょう。

そして、投資に関しては、公にはされていませんが、配当率が90%~110%となっています。これは株式やFX、不動産による投資など全てを含めての数値となっているので、ギャンブルと比べると高い配当率を誇っています。

ギャンブルと投資の大きな違いとして配当率が挙げられますが、ギャンブルには一攫千金という夢を見る要素がありますが、投資は「資産を安定して増やす」という要素が強いために一攫千金のような夢を見ることは出来ませんが、リスクが少なく安定して資産を増やすのに向いています。

『リスクの違いについて』

投資とギャンブルにおいてリスクの違いというのは明確な違いとなっています。
投資の場合、技術や知識によってリスクを軽減し、資産を増やすことが出来ますが、ギャンブルの場合、運の要素が強いために、リスクが高くなってしまいます。
例えば、ルーレットの赤と黒のどちらに賭けるというような二者択一のギャンブルを例にとってみると、ルーレットの場合、赤と黒のどちらかに掛けるという場合は配当が2倍になっています。

しかし、ルーレットの番号は0(もしくは00)~36の番号が割り振られていて、37分の18(もしくは38分の18)で掛け金の2倍が得られるということになります。
この場合のリスクは2分の1に近い数字ですが、実質の計算では47%程度となります。

2分の1を当てるというゲームのルーレットでもこれだけのリスクを負って、当たれば2倍になりますが、外れればゼロになってしまいます。

そして、投資の場合は今回は株式取引を例に出してみますが、100円の株券を1万株購入すると資産は100万円必要ですが、この株券を90円になった時に売り払ってしまうと、90万円の価値しか無いので、10万円の赤字となってしまいますが、それでも元金から考えると10%のマイナスで済んでいるということになります。

ギャンブルの場合、マイナスになる時は基本的にゼロになってしまいますが、投資の場合はマイナスになったとしても幾らかの元金が残ることが多いので、ギャンブルに比べるとリスクが少ないという事にもなります。

『行動の違いについて』

ギャンブルと投資の違いにおいて「行動」という部分でも大きく異なります。
ギャンブルというのは、パチンコでも競馬でも、「自分で行動をして配当を得る」という仕組みになっていますが、投資の場合は、自分ができるのは「資産を送り出す」ということだけです。

例えば何億円、何兆円というような金額を投資するのなら話も変わってくると思われますが、数万円~数千万円程度では何も変わりません。

株式投資でも為替投資でも自分の力では何も出来ないようなことが多いために、「行動をしなくても良い」ということが投資の特徴となっています。

『目的の違いについて』

投資とギャンブルでは目的が異なります。
どちらに関しても「資産を増やすために行う行動」ということでは変わりませんが、ギャンブルの場合は、一攫千金を夢見て行動に移す人の方が多いでしょう。

しかし、投資というのは資産を増やすということになりますが、基本的には微増です。
前年と比べて5%の増益をしたとなると十分な成果となりますが、金額に直すと、10万円が10万5千円になっても、それほど「儲かった」というイメージは少ないのではないでしょうか?

しかし、ギャンブルの場合は基本的には「自分の資金を2倍にするかゼロにするか」というゲームとなっているので、5,000円が1万円になれば「儲かった」という印象が強いでしょう。

5,000円を10,000円にするために、「ゼロになるかもしれない」というリスクを負った上での結果なので、「プラスになった」という印象が強すぎてギャンブルのほうが儲かるのではないかというイメージがありますが、投資は「最小限のリスクで利益を得ることが出来る方法」となっているので、長い目で見ると投資のほうが利益率が高いということになります。

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